カネ
PR

手作り弁当は実はコスパが悪いんじゃないか【コスパ見直し】

monokane
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

中学1年の息子のため、平日は毎朝6時に起きて弁当をこしらえる。炊飯器の湯気を横目に卵を巻き、肉を焼いて味をつけ、ちょっとした冷凍食品で彩りを整えると、あっという間に起床リミットの7時だ。

「食費は抑えられるし、栄養面も親の目が届くから」と意気込んで始めたものの、最近ふと(これ、実はコスパ悪いんじゃね?)というモヤモヤが頭をよぎる。

材料費は確かに安く済む。でも、その裏で“自分の1時間”が静かに消えている事実も無視できない。

節約か、時間投資か。フライパンを握る手を止めて、改めてコスパの天秤を覗き込みたくなった。

ものかね
ものかね
倹約物欲ブロガー
Profile
愛知県出身の39歳倹約物欲ブロガー👾中小企業に勤めて20年➡︎年収900万だけど仮想通貨で借金400万➡︎倹約と物欲の狭間でもがく社畜➡︎物欲に負けて買った物とかをレビューしてます➡︎ヒト・モノ・カネが大好きなアフィカス➡︎Amazonアソシエイト&楽天アフィリエイト参加中

自分は1時間いくらで動いているのか

ここで一度、弁当づくりに費やす「自分の1時間」をお金に換算してみる。

会社員の私が手取りベースで叩き出す時給はおよそ2,640円。残業に切り替えれば1.25倍のブーストがかかって、約3,300円まで跳ね上がる。

つまり、早出や残業を1時間追加するだけでサクッと3千円前後が財布にチャージされる計算だ。まさに“Time is Money”を地で行く数字である(社畜根性丸出しだが)

ダイヤモンド社の試算によれば、年収1,000万円クラスなら時給5千円に相当するらしい。それよりは控えめとはいえ、私の1時間にも数千円の値札が付いている。そう考えると、キッチンでフライパンを振る時間の重みが少し違って見えてくる。

材料費はたしかに安い。でも“時給”を足すと景色が変わる

以前の記事でも、手作り弁当にかかるコストをかなり詳細に計算してみた。

手作り弁当のコスト検証記事はこちら
手作り弁当1食の値段をガチで検証してみる
手作り弁当1食の値段をガチで検証してみる

手作り弁当はコスト面で優秀――これは多くの調査でも示している。

某メディア比較でも、外食ランチが1,000〜1,500円コンビニ弁当が約500円に対し、手作り弁当は100〜300円で収まるケースが大半だという。実際、私も1食あたり約385円前後に着地させているから、数字としては納得感がある。

だが、ここで材料費だけを見て “勝った” とガッツポーズを取るのは早計かもしれない。なぜなら、弁当づくりには見えない「時間コスト」が張り付いているからだ。

私の1時間には先ほど算出した通りおよそ2,600〜3,300円の値札が付いている。この“時給タグ”を弁当作りに貼り付けた瞬間、材料費の優位性は一気に薄れる。

つまり、家計簿に載らない時間の出費をどう評価するかで、手作り弁当のコスパは真逆の表情を見せるのである。時間をお金に換算すると…コストパフォーマンスはどうなる?

時間まで乗せて精算すると、弁当の“お得神話”はかなり怪しくなる

コスパを測るなら、材料費に「自分の時給」を足して計算するのが一番フェアだ。

たとえば、とある家計記事では弁当づくりに調理30分+片づけ10分=計40分かかる前提で、時給1,000円を上乗せしている。材料費256.5円に労力コスト約500円を足すと、1食あたりの総コストは約756円。対して、近所のテイクアウト弁当を600円で買いに行く場合は往復10分=時給換算で約167円を加えても767円と、ほぼ横並びだという。つまり「材料費だけ見れば安い」が、「人件費」を入れた瞬間に差は溶けるわけだ。

では私の場合はどうか。時給2,640円で弁当に30分を投下すると、その時間だけで1,320円が飛ぶ。材料費を300円と見積もっても、合計は約1,620円。

コンビニ弁当(500円前後)に移動ロスを加えてもせいぜい700円程度だから、実質コストは完全に逆転する。

同じ30分を朝の早出や残業に振り替えれば、2,600~3,300円がそのままプラスされる計算なのだから、数字だけを追えば「手作り=節約」はほぼ神話に近い(生活残業をする倫理的な問題は横に置いておく)。

要するに、時間というもう一枚のレシートを足した途端、手作り弁当は“手間のぶんだけ高いランチ”になり得るのだ。

それでも弁当箱を閉じる手を止めない理由

数字だけを並べれば、手作り弁当は明らかに“割の悪い投資”だ。1時間早起きして火を使うより、その60分を会社にまわして残業代を稼いだほうが家計は確実にプラスになる。

それでも私がフライパンを握る習慣を手放せないのは――シンプルに、息子のためだ。「今日の卵焼き、旨かった」と息子が言うだけで、時給計算でマイナスになった分をどこかに置き忘れてしまう。リビングで弁当箱を洗いながら家族の笑顔を眺めると、「この1時間は無駄じゃない」と胸を張りたくなる。

結局のところ、親が子に渡せるものはお金だけじゃない。

冷めてもほんのり温かい白ご飯と、その背後に流れた朝の時間――それを息子が覚えていてくれるなら、コスパの計算はひとまず脇に置いておこうと思える。

「節約」と「時間投資」の帳尻を、ときどき棚卸ししてみる

ここまで弁当づくりのコスパを追いかけてきたが、家事や子育てには数字で割り切れない価値があるのも事実だ。

家族のために動く時間は、通帳には載らないけれど確かな満足感を連れてくる。だからこそ私たちは、つい“無料サービス”のように家事労働を差し出してしまいがちだ。

しかし海外の調査でも指摘されているように、人は自分の時間を金額で見積もることが想像以上に苦手らしい。「あと30分あれば何ができる?」を具体的に計算する機会は、意外と少ない。

弁当づくりに限らず、「時間をかけて浮かせた数百円」と「その時間で生み出せた価値」を天秤に載せる習慣を持ちたい。

片道30分歩いて特売品を買いに行くのか、ガソリン代を払って車でサッと済ませるのか。宅配に手数料を払うのか、休日をまるごと買い出しに充てるのか。

その小さな選択の積み重ねが、家計だけでなく心の余白にも影響してくる。

少なくとも今回の検証でわかったのは、私の弁当づくりは“大幅節約”とは呼べないどころか、貴重な朝の1時間を差し出して成り立っているという事実だ。

数字を冷静に見つめつつ、どこで帳尻を合わせるか――そのバランス感覚こそ、これからの節約術に欠かせない視点かもしれない。

“時間”という見えない資産も家計簿に書き込んでみる

この記事が、あなた自身の「1時間っていくら相当だろう?」を考え直すきっかけになれば嬉しい。

私もずっと“節約”の言葉に安心して、手間暇をタダ同然で差し出してきた。

けれど冷静に計算してみると、早起きして動き回る1時間は、場合によっては材料費の差額を軽く超える価値を持っている。節約=正義、という定義だけでは測れないのだ。

家計簿に載らない“時間資産”をどう使うかまで視野に入れて、暮らしを設計していけたらもっと自由度は高まるはずだ。

もちろん、手作り弁当を続けるかやめるかは家庭それぞれの事情と価値観しだい。ただ、その選択の裏側には必ず「時間」と「労力」の天秤が潜んでいる。

いま一度、そのバランスを意識してみても損はない。材料費だけ見ればお得でも、労力を時給換算した途端、市販弁当とチャラになる――そんなデータはすでにいくつも報告されているし、普段の私たちは時間の値札を意外なほど忘れて生活していると言われている。

ぜひ明日の朝、目覚ましを止める前に「この1時間、私ならいくらで動く?」と自分に問いかけてみてほしい。きっと新しい節約やライフデザインのヒントが浮かんでくるはずだ。

ABOUT ME
ものかね
ものかね
倹約物欲ブロガー
愛知県出身の39歳倹約物欲ブロガー👾中小企業に勤めて20年➡︎年収900万だけど仮想通貨で借金400万➡︎倹約と物欲の狭間でもがく社畜➡︎物欲に負けて買った物とかをレビューしてます➡︎ヒト・モノ・カネが大好きなアフィカス➡︎Amazonアソシエイト&楽天アフィリエイト参加中
記事URLをコピーしました