【改悪されがち】楽天カード vs 楽天ゴールド vs 楽天プレミアム徹底比較【選び方】

この記事のゴールはただ一つ。
「楽天カード・楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカード、結局どれが“いちばん得”なのか?」を、年770万円を楽天カードにブッ込む8人家族のリアルな数字でハッキリさせることだ。
年会費ゼロの気軽さを取るか、ゴールドの“ちょいリッチ感”に乗るか、はたまたプレミアムのフル装備に賭けるか──選択を誤れば年会費がそのままムダ金になる。そこで本記事では、
- 年会費と追加コスト
- SPU倍率とポイント上限
- 日常利用&楽天市場買い物で実際に戻ってくるポイント
この三大要素を“家計の流れ”に当て込み、数字で白黒をつける。読後には「うちの条件ならこれ一択だな」とスッと腹落ちできるはず。カード選びで迷っているなら、まずはここで損得勘定を済ませよう。

前提条件を確認する

舞台は、祖父母・夫婦・子ども4人の 総勢8人 が同居する大所帯。光熱費も食費も桁がひとつ多く、楽天カードの決済額は月70〜90万円、年間にするとざっと770万円 に達する。とはいえ買い物の大半は近所のスーパーや量販店で、楽天市場へは 月1.1万円前後(ふるさと納税を含めても年13万円ほど) と控えめだ。
投資は 楽天証券のつみたてNISA に月5万円をクレカ払い、街中では 楽天ペイ が常時スタンバイ。ETCカードと家族カードは必需品だが、空港ラウンジや手厚い旅行保険にはまったく食指が動かない。貯まったポイントはすべて 楽天ウォレットでビットコインへスライド。要するに「ポイント=ほぼ現金」という価値観だ。
このライフサイクルを前提に、楽天カード・楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカードの3兄弟を比較し、「一番お得なカードはどれか?」を数字で白黒つけていく。
楽天カード3兄弟のスペックを確認
1. 楽天カード(無印)
- 年会費:永年ゼロ円。
ETCは550円で“プチ有料”だけど、プラチナランク以上ならタダになる抜け道あり。家族カードは追加0円。 - 基本還元:1% ポイント。
楽天ペイ経由でも 1%+0.5% が乗る。 - 楽天市場SPU:+2倍 → 合計3%。
ただし上限1,000pt/月。月10万以上買わなきゃ天井に当たらないので、うちの1.1万/月じゃ気にするだけムダ。 - その他:特別ボーナスなし。
旅行保険は最低限付くけど、ラウンジ特典はゼロ。
2. 楽天ゴールドカード
- 年会費:2,200円。
ETCは無料に昇格、家族カードは1枚550円。 - 基本還元:1%(無印と同じ)。
- 楽天市場SPU:改悪で無印と同じ+2倍=3%。
かつての+4倍は春の幻。上限も同じ1,000pt/月。 - 誕生月特典:+1%(上限2,000pt)。
1.1万/月ペースなら誕生月でも+110pt。年会費分には遠い。 - おまけ:国内ラウンジ年2回。
行かないなら絵に描いた餅。保険も無印と大差なし。
3. 楽天プレミアムカード
- 年会費:11,000円。
ETC無料、家族カード550円。 - 基本還元:ここも1%。
- 楽天市場SPU:今は+2倍=3%。
上限は5,000pt/月まで拡張 ─ が、月1.1万じゃ宝の持ち腐れ。 - 選べるコース特典(楽天市場コースの場合)
- 火・木に買うと +1%(年間+1,320ptほど)。
- 誕生月も+1%(+110pt)。
- 楽天証券積立:上限が月10万に倍増。
フルで積めば年間+6,000pt。とはいえ年会費にはまだ届かず。 - 旅行系オプション:プライオリティ・パス&手荷物宅配。
「ラウンジ? 行かんし」の人には無価値。
ここまでざっくり結論
- ポイント目線だと 無印>ゴールド>プレミアム。
- ゴールドは年2,200円払って“誕生月+110pt”を取りに行くカード。割に合わない。
- プレミアムはラウンジ・保険を使い倒す人向け。ポイントだけで年会費を回収するのはほぼ不可能。
年間ポイント収支シミュレーション
カード種類 | 年間ポイント(概算) | 年会費・諸費用 | 差し引き純益 |
---|---|---|---|
楽天カード | 約85,640pt (決済1%+楽天市場+2%+積立1%) | ETC 550円 | +85,090円 |
楽天ゴールドカード | 約85,800pt (無印とほぼ同じ+誕生月ボーナス) | 年会費2,200円+家族550円=2,750円 | +83,050円 |
楽天プレミアムカード | 約87,070pt (火木+1%+誕生月+1%込み) | 年会費11,000円+家族550円=11,550円 | +75,520円 |
楽天カードの年間ポイント収支シミュレーション
年間770万円をカード払いすると、どの券種でも決済1%のベースポイントが約7万7千pt生まれる。ここに楽天市場での+2%(月1.1万円=年13.2万円分)と、楽天証券の積立1%(月5万円)を足すと、無印カードは約8万5千pt強に到達する。年会費ゼロなので、差し引きするとETCの550円を払っただけで約85,000円が丸々浮く計算だ。
楽天ゴールドカードの年間ポイント収支シミュレーション
ゴールドは無印と同じSPU+2倍しか持たないためポイント総量がほとんど変わらない。唯一の違いは誕生月ボーナス+1%だが、月1.1万円程度の楽天市場利用では年間でせいぜい+110〜220ptしか積み増せない。一方、年会費と家族カードで毎年2,750円が出ていく。結果、ポイントで受け取る利益を差し引くと無印より約2,000円分マイナスになり、「払った年会費の分だけ損」というオチになる。
楽天プレミアムカードの年間ポイント収支シミュレーション
プレミアムは毎週火曜・木曜の+1%や誕生月+1%といった小刻みなブーストがあるものの、月1.1万円の買い物では追加ポイントが年1,400ptほどにしかならない。合計ポイントはゴールドよりやや多いものの、年会費1万1,000円+家族カード550円が重すぎて帳消しどころか赤字寄り。証券積立枠を月10万円に拡大しフル活用しても、純益は無印に届かない。
最終的に、「年会費という固定費を払ってまで得を伸ばす余地がない」という事実が浮き彫りになる。ラウンジや保険を使わないかぎり、8万5千ptをほぼ無傷で手にできる無印カードが最適解。ポイントだけで勝負する限り、上位カードは見栄とロマンの領域だ。
ポイントだけ見れば無印の楽天カードが最強
年770万円もカードを切りつつ、楽天市場での買い物は年間13万円ほど。この使い方では、年会費無料の「楽天カード(無印)」が一番得というシンプルな結論に落ち着く。
楽天プレミアムカード
かつての“+4倍”SPUは改定で消え、今や無印と同じ+2倍。年会費1万1,000円を回収するには楽天市場で少なくとも年36万円──月3万円の注文が必要だが、現状はその3分の1。火・木の+1%や誕生月+1%をフルで踏んでも差額は数千ポイント止まりで、年会費をのみ込むには程遠い。旅行保険やラウンジが不要なら、プレミアムという肩書きはほぼ観賞用になる。
楽天ゴールドカード
ラウンジ年2回と誕生月+1%がウリだが、月1.1万円の買い物では誕生月ボーナスは110ポイントにしかならない。年会費2,200円に見合うかと聞かれれば、むしろ赤字。改悪後はSPU倍率も無印と横並びになっており、差別化ポイントが消えてしまった。
楽天カード(無印)
一方の無印は年会費ゼロ。ETC年会費が550円かかるが、プラチナランク以上ならこれも無料。年間で手にできるポイントは約8万5,000pt超え、実質還元率は上位カードを押さえてトップ。
要するに――
- 楽天市場で月3万円以上買う予定
- 空港ラウンジを使い倒したい
このどちらかに当てはまらない限り、ゴールドやプレミアムは「高い年会費を払って見返りが薄い」選択肢にしかならない。逆に言えば、今後ヘビーに楽天市場を使う予定ができたり、海外出張が月イチで発生するようになったら、そのとき初めて“カードアップデート”を検討すればいい。
現状では、「コストゼロでポイントだけしっかりもぎ取れる楽天カード(無印)」がもっとも費用対効果が高い。財布が痛まないうえにポイントは丸々家計の黒字。――これこそ“固定費ゼロで最大リターン”という、家計防衛の理想形だ。
【罠】楽天カードは枠が少なすぎる
ここで1つの罠に引っかかる。ポイントだけ見て無印の楽天カードに飛びつくのは時期尚早だ。
無印カードの上限を100万円と仮定しよう。7月にエアコン4台+レジャー予約で70万円を切った瞬間、月末の締め日が来ると残枠はわずか30万円。ここから支払日(27日)まで、カードは「70万円利用中」のままなので実質30万円しか撃てる弾がない。
水道・ガス・電気で約6万円、食費10万円、学費や定期券でさらに10万円と日常支払いが重なれば、残枠は一気に底を突く。楽天ペイ決済やネットスーパーもエラーを吐き出し、ポイント獲得のラインが途切れてしまう。
早めに口座振替や振込で70万円を前倒し返済すれば枠は数営業日でリセットできるものの、手元キャッシュが潤沢でなければ現実的ではないし、振込手数料や手間も掛かる。
要するに「枠を使い切るたび“残30万円縛り”と付き合う」か「臨時返済で都度キャッシュを吐き出す」かの二択。
もしこの残枠ヒヤリ体験が頻発するなら、年2,200円で上限200万円のゴールドを“心の平穏料”として払う手もある。逆にキャッシュフロー管理が苦にならず、前倒し返済も厭わないなら無印で走り続けても構わない。枠不足の冷や汗が増えてきたら、上位カードか恒常増枠の検討が合図だ。
「ゴールド/プレミアムが光るのはこんな暮らし方」
1. 楽天市場で“月3万円超え”を常態化できるか
いまの買い物は月1.1万円。これを**3万円(年間36万円)**まで引き上げれば、プレミアムカードの年会費 11,000 円はポイントだけでペイできる計算になる。
- 食料・日用品の定期便をスーパー→楽天24へ切り替え
- 子どもの学用品や家電の買い替えを「5 と 0 のつく日」&「お買い物マラソン」に集中
- ふるさと納税を倍プッシュ
月3万円×ポイント+2%=600pt、さらに火・木のプレミアム+1%も合わせれば年会費を超える。
2. 旅行・出張で“ラウンジ&PP”を使い倒す
ゴールドは国内ラウンジ年2回、プレミアムは「プライオリティ・パス(世界ラウンジ無制限)」が本命特典。
- 年3回以上、飛行機で帰省・旅行する
- 乗継時間が長めの国際線に乗る
- ビールとラウンジ飯を全力で回収する
1 回 3,000 円と見積もれば、ゴールドでも元は取れる。プレミアムなら年4回利用で 12,000 円。飛行機に乗らないならスッパリ捨てて無印に戻すのが吉。
3. 楽天証券のカード積立を月10万円までブチ上げる
プレミアム限定の“月10万決済で1%還元”をフルに使うと、
- 無印/ゴールド:月5万上限 → 年 6,000pt
- プレミアム:月10万上限 → 年 12,000pt
差は 6,000pt=6,000円。ラウンジを使わずとも年会費を半分くらい取り返せる。NISA枠に余裕があるなら、積立額を倍にしてポイントも倍取りに行くのが手。
4. SPUの“横串”を全部さす
- 楽天モバイルに一家で乗り換え(月+3倍)
- 楽天ひかり・楽天電気で固定費を移す
- 本・マンガは 楽天ブックス/KOBO で仕入れる
こうして SPU倍率を+5〜7倍まで底上げすると、楽天市場3%→10%超の世界へ。高額決済がポイント爆弾に化ける。
自分の生活をどう組み替える?
ライフスタイル改造 | ゴールド | プレミアム |
---|---|---|
楽天市場 月3万円超 | △(誕生月+1%で年会費ペイ可) | ○(+火木+1%でラクに回収) |
国内線ラウンジ年2回 | ◎(年会費分ほぼ相殺) | ○(PPよりは弱い) |
国際線+乗継ラウンジ年4回 | △ | ◎(PPで元以上) |
投信積立 月10万円 | × | ○(追加6,000pt) |
SPUを+7倍以上 | △ | ○(倍率上限5,000ptが生きる) |
- ラウンジor海外旅行→プレミアム
- 国内線+誕生月に楽天市場爆買い→ゴールド
- それ以外で楽天市場をそんなに使わない→無印のままが最強
要は「年会費=固定費」を払ってでもポイントかサービスで“元”を取れる行動パターンを組めるかが勝負どころ。今のままでも十分ポイントは稼げているが、上位カードを狙うなら買う場所とタイミング、そして旅行頻度をガラッと変える覚悟が必要だ。
現実的には楽天ゴールドカードの一本勝ち
ポイントだけ見れば、年会費ゼロの楽天カードが還元率トップだ――そこまでは間違いない。ところが実務に立ち返ると、無印の標準枠(せいぜい100万円前後)では足らないという現実が立ちはだかる。月に70〜90万円をコンスタントに切るわが家の場合、締め日をまたいだ瞬間に残枠は30万円前後。光熱費・学費・食費であっという間に枠を食い尽くし、楽天ペイも止まる。“臨時増枠”で乗り切る方法もあるが、審査待ちや前倒し返済の手間を毎月繰り返すのは正直しんどい。
そこで浮上するのが年会費2,200円で利用枠200万円へジャンプアップできる楽天ゴールドカード。ポイント倍率は無印と同じでも、「限度額が倍」という一点が家計の呼吸を劇的にラクにする。誕生月+1%のボーナスはオマケ程度だが、「年会費=“枠の安心料”」と割り切れば月70万円超ユーザーには十分元が取れる。プレミアムも枠は広いが、年11,000円を回収するほど楽天市場もラウンジも使わないなら過剰装備だ。
結論をまとめると──
- 限度額<毎月の決済ペースという現実がある限り、ポイント理論だけでは語れない。
- ゴールドの200万円枠こそ、8人家族×月70〜90万円決済のストレスを消す最適解。
- ポイント還元で損をしない程度のコスト(年2,200円)で「使えない月末」の不安が消えるなら、選択肢はゴールド一択だ。
そんなこんなで私はずっとゴールドカードを使っている。大家族で毎月の支出が多いなら、2,200円の年会費を払ってでも楽天ゴールドカードにした方がいい。楽天カード選びの参考になればと思う。